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「死にたい」 という患者さんに絶句してしまいました。
「死にたい」
身寄りのない四肢麻癖の患者さんが「このままであと何年生き続けるんだろうか。もう死んでしまいたい」と言われ、私は絶句してしまいました。
彼は寝たきりで、回復の見込みはゼロに近いです。
患者さんの生命を守ることが看護の仕事だと思ってきました。
でも現実は、命を永らえることが辛い様子を見ていると「死なせてあげたほうがいいんじゃないかな」という気持ちが出てきて悩みます…。
今度、「死にたい」と言われたら、どう言葉をかけてあげたらよいのでしょうか。
人間に死ぬ権利はあるのか。そんなことまで考えてしまい、悩んで泣いてしまったりする日もあります。
こんな私は、看護師失格なのかもしれません。
千葉県在住 麻酔科勤務 Y.I.さん（24歳）
患者の気持ちに寄り添うほど辛い・・・
ナス美さん
患者さんの思いとしっかり向き合えば向き合うほど、患者さんにとっての幸せを思い、悩みが深まってしまうわよね。
重度の障害や、終末期の患者さんに対して、看護師達は必ずこうした悩みをもつもの。
似たような経験が私にもあるわ。
重度の障害や、終末期の患者さんに対して、看護師達は必ずこうした悩みをもつもの。
似たような経験が私にもあるわ。
Y.I.さん
やはりそういう患者さんは多いんですね・・・
ナス美さん
私は以前精神科に勤めいたんだけど希死の強い患者さんがつねにいて、「死にたい」 と言われるのは日常茶飯事だったの。
Y.I.さん
ナス美さんはそういう患者さんたちにどうやって対応していたの？
「私の人生はそんなに簡単じゃない！」「あんたは幸せだから言えるのよ！」とキレられることになってしまいます。
それでもやっぱり、「死にたい」という言葉自体、肯定はできないわよね。
「こいつは楽天的な、バカ看護師」と思われたとしても、
あえてその役割を演じることが、私たちの仕事だと割り切るのがいいと思う。
Y.I.さん
なるほど・・・
あえて割り切ることも必要なんですね。
あえて割り切ることも必要なんですね。
「思考停止」の技術の必要性
ナス美さん
「死にたい」と言われたからといって、その人が「死んだほうがいいか」、
「生きていていいことがあるか」という議論には、入らないほうがいいわ。
のっぴきならない問いかけには、それを言わせる思いだけを汲んであげて、
あえて踏み込まないこと。
こうした「思考停止」の技術ともいうべき操作が、命ぎりぎりの現場で働く私たちには、どうしても必要なのよ。
「生きていていいことがあるか」という議論には、入らないほうがいいわ。
のっぴきならない問いかけには、それを言わせる思いだけを汲んであげて、
あえて踏み込まないこと。
こうした「思考停止」の技術ともいうべき操作が、命ぎりぎりの現場で働く私たちには、どうしても必要なのよ。
Y.I.さん
そうですね、命と対峙する職業である以上必要な技術かもしれません。
ナス美さん
もちろん人としては、大いに悩む価値のある課題だと思うわ。
自分を責めることは抜きにして、たまには存分に悩んで考えてみる機会を持つのもいいかもね。
自分を責めることは抜きにして、たまには存分に悩んで考えてみる機会を持つのもいいかもね。
職場環境を変える
ただ、あまりにも命の極限と向き合う現在の職場が精神的に辛いのであれば、転職を考えることもひとつの手段。
看護師向け転職サイトを利用することで転職前に病院の勤務事情を詳しく調べることができます。
登録はもちろん無料、登録作業も1分程度で済むので、登録だけでもしてみるといいかもしれません。
